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夏祭り
なんとなく早めに出て、30分前に待ち合わせの駅に着いてしまった。
周りには私のように浴衣を着た人や、甚平を着た人で溢れている。
みんな楽しそうに話をしていたりスマホを眺めたりしていて、私もその一員なのがなんだかくすぐったい。
『今着いたよ』と簡単なLINEを送ればすぐに既読がつき、『私ももうすぐです!』と簡単な返信。
美雨もだいぶ早めに向かってるんだな、似た者同士かな私たち。
『慌てないでゆっくり来てね』と送ってから閉じたスマホの画面に映る私は、周りの人と同じような顔をしていた。
雲を食べる、というのがなんなのか教えてくれずに迎えた今日。
浮かれてるなぁ私、なんて緩んだ頬を揉みながら、改札の向こうの人混みの中に、海のように青い浴衣を纏った美雨の姿を見つけて、雰囲気の中へと溶け込んだ。
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