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お互いに可愛い、綺麗、と褒めあって、照れて俯きあって、無言になってしまったから、慌ててじゃあ行こっかと会場へと向かった。
結構大きめな神社のお祭り。知ってはいたけれど来るのは初めてだった。
近づくにつれて賑やかさは増し、おいしい匂いも増していく。
お互いに食べることが好きだから、あれ食べたいなこれもいいねなんて言いながら御参りへ。
由緒やご利益を勉強しなかったし、お願い事をあんまり考えていなかったんだけど、隣の真剣に手を合わせている姿を見ながら、2人で穏やかな日々を過ごせたらいいなと願った。
その後引いたおみくじは、私が中吉、美雨は吉。
2人とも良縁に恵まれているけれど、病気は治りにくかったり、用心せよだったり。季節の変わり目は気をつけようねなんて笑った。
おみくじをくくりつけた後、ぱっと顔を上げた美雨はまたあの言葉を言った。
「雲を食べに行きましょうか」
「ん。見つけられたの?雲」
「はい、とっても大きな雲でしたよ!」
そうにっこりしてひとつ大きく息を吸うと私の手を取った。
そういえば、手を繋いだの初めてだっけ。
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