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神社の隅っこに居場所を見つけて、そこで改めて大きな雲を見上げる。
作り方を見てたけれど、あっというまにもくもくと膨らんでまるで入道雲を魔法で作っているみたいだった。
「詩帆先輩なら、雲だねって言ってくれると思ったんです」
「言ったね」
「はい、言ってくれました」
へへ、と笑って美雨は私にそれを差し出す。いいの?と伺ってから、先に一口雲を食べた。
うん、甘い。
それになんだか懐かしい味がする。
「小さい時、空の雲はわたあめで出来てるって思ってて、大人になったら身長も伸びてきっと食べられるんだって思ってたんですよ」
「んー、ちょっとわかる、美味しそうだもんね」
今度は美雨にその雲を傾けてあげると一口、美味しそうにかぶりつく。
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