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余談だが、薮貴に天罰が降る日が突然、やって来る。
別れたその数日後の夜、薮貴は浮気相手の家に行く途中、ダンプカーに撥ねられた。
幸い、命は取り止めたが背骨がひん曲がり、二度と真っ直ぐに背が伸びなくなってしまった。
更に事故の衝撃で頭を強く打ったせいか、脳に障害が生じ、言語もままならぬ哀れな姿に成り果ててしまった。
そして現在、薮貴は精神病院の片隅でひっそりと暮らしている。
かつて、私を犯した背の高い筋肉ムキムキのガキ大将面した男はこの一夜で、背骨の曲がった醜い姿へと様変わりしてしまった。
だけど、私にはそんな事、どうでもよかった。
この男が天罰が下された所で私の青春は帰っては来ない。
残ったのは、いつも疼いてしまう快楽塗れの身体と、とてつもなく大きな後悔のみであった。
だから私は、この後悔を忘れるかのように風俗の仕事に打ち込んだ。
しかし、薮貴のSEXのテクニックに誰も勝てず、更なる快楽を求めようと、私は薬に手をつけた。
そんな生活が10年続いたある日………
雅司と再会した。
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