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その後僕らは、眠くなるまで未来の話をした。
小さなアパートでもいい。
二人で暮らすのに、ちょうどいい部屋を探して。
ペット可の部屋だと嬉しいなって話した。
でも高槻君は猫派で、僕は犬派だから。
ここを擦り合わせるのは、ちょっと大変かもしれない。
当然部屋は別々だよね?って聞いたら。
俺は一緒の部屋でもいいよって、高槻君は淡々とした口調で言った。
朝食は、彼の好きな和食を一緒に食べて。
職場も同じだったらいいね、なんて。
そんな話もした。
高槻君と一緒にいると、本当に心がホッと安心する。
それは、高槻君も同じみたいで。
それが、僕はすごく嬉しい……。
今までつらいことの方が多かったけど。
ようやく僕にも光が見えて来たみたい。
あまり多くを望むのは怖いんだけど。
この手だけは離したくない。
どうしてだかわからないけれど。
僕はそう強く思っていた。
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