episode1

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「……お前って確か、同じクラスの日高だよな?」 怪訝そうに僕を見つめながら、彼は低い声を出した。 「た、高槻(たかつき)君?」 よく見たら、同じクラスの男子じゃないか。 そう言えば、さっきの体育の授業の時、彼はいなかった気がするけど。 そうか。 ここでサボっていたんだ……! 「もしかしてお前もサボリ?」 「えっ? あぁ、うん……」 サボリと言うか、何と言うか。 「意外だな。お前みたいな真面目そうなヤツでもサボることがあるんだな」 「はは……」 真面目そうなヤツ。 クラスメイトの僕に対する印象は、ほとんどがそんな感じらしい。 地味で目立たないのもあって、未だに名前を覚えられていないことが多いのに。 高槻君は、僕の名前を覚えてくれていたんだね。 そっちの方が意外なんだけど。 「まぁ、突っ立ってないで座れば?」 「う、うん……」 高槻君に言われるまま、僕はおずおずとその場に腰を下ろした。
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