episode1

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高槻(たかつき)結夜(ゆいや)。 高2で同じクラスになるまで、僕は彼の存在を全く知らなかった。 第一印象は、後ろ姿がやけに綺麗な人。 背が高いのに一番前の、しかもど真ん中の席に座っているものだから、どうしたって視界に入っていた。 しばらくすると、綺麗なのは後ろ姿だけじゃなくて顔もだとわかるのだけれど。 無表情かつ無愛想な高槻君はどこか近寄り難くて、見た目の華やかさに反して一人でいることが多い。 さらに彼は、たびたび教室からその姿を消すところも印象的で。 サボっているのだろうと思ってはいたけど、まさか屋上にいるなんて。 今の今まで僕は想像すらしていなかった。 「つうかお前、顔色悪くね?」 しばらく黙っていたのに、急に声をかけられてドキッとした。 「あー、えと。3時間目の体育でちょっと疲れちゃったんだ。だから、少しここで休もうかと」 「は? だったら保健室に行った方が良くね? その顔色なら、すぐにベッドで休ませてもらえるはずだぞ。 つうか、もう早退レベルなんじゃねぇの?」 高槻君は呆れたように言った。 「そうかもしれないけど。 でも僕、今日は放課後まで学校に残っていたいんだ。 だから、お願いします。 僕も、ここにいさせてください!」 そう言って僕は、必死に頭を下げた。
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