親友はロボット

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 わたしは知っている。咲良ちゃんはロボットだ。だから食事と排泄はしない。これはあくまでわたしの推理の域だがだいたいは当たっているだろう。咲良ちゃんは一応はお弁当を持って来てみんなと食べているが、それは身体の中で処理をせずにそのまま体外に出しているのだろうと推測している。何故なら咲良ちゃんがいるトイレから食べ物の匂いが漂ってきたことがあるからだ。昨日はハッキリとデミグラスソースの香りが解った。あの空間からハンバーグのいい匂いがするなんてことはあり得る話ではない。  咲良ちゃんは美少女だ。目が大きく色白で均整のとれた体つきをしている。金持ちの親が大枚はたいて買った、高級な美少女ロボット。わたしは密かにそう思っている。だからハッキリ言って男子にはモテる。あの容姿なら致し方無いことだと思う。 わたしと咲良ちゃんは親友だ。学校の登下校も一緒にしているし、休み時間やお昼休みも仲良く過ごす。お昼は仲良し5人グループで机を合わせて食べているが、それは全員が女子である。男子は学食を利用している子が多い。  今は朝のホームルームの最中だ。咲良ちゃんは今日のお弁当はなんだろうと考える。何時も、洋食がメインだから、きっと今日もミートボールだとか、ウインナーだとか、そんな感じのものに違いない。多分、和食は構造上、体の中で上手く処理が出来ないんだろうと勘ぐっている。
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