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地下通路にゃ
ある秋の日。
謎の地下通路を発見したわたしは、じっと様子を伺っていた。
なにこれ、こわい。なんか、ざくって食べられる感じがする。
わたしは全身の毛をぶわっと立たせて体を縮めていた。
すると、突然女子高生が入り口から倒れ出てきた。左腕は真っ赤に染まっている。
にゃ、違う!腕が、ない!!
それ以上に驚いたことは、その女子高生はももちゃんの親友の女の子だったってこと。
気を失っているその子に駆け寄ると、なんとか息をしているみたいだった。
ほっと安心して、通路の入り口を見ると小さな影が見えた気がした。
それから。
懐かしい声が聞こえた。
「さくらちゃん、後はよろしくね」
あの夏の日に亡くなったはずのももおねぇちゃんの声だった。
「にゃ」
わたしは知らず、涙を流していた。
ももちゃん、わたしたちまたあえるの?
それから急いで人を呼び、ももちゃんがしたようにわたしはももちゃんの親友を病院へ運んだ。
救急車が来るまで、血に濡れた顔をペロペロして拭った。
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