出会い

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「ふざけんじゃねえっ!」  強面の男はナイフを抜き怒鳴り散らす、並みの少女ならそれだけで泣き出すだろう。 「ふざける? お主! あれだけ戦って、まだ余と自分の実力の違いというモノがわかっておらんようじゃのう!」  少女に怯える様子は全くなく、むしろ男を見下すようにして喋った。 「実力だと? それこそふざけた事を抜かすんじゃねえ!   お前は後ろで杖を振って、黒いのを応援していただけで特に何もしてねえだろ!  自分が強いみたいに言ってんじゃねえよ!」 「何じゃと!?  余はその黒いのを従える権力を持っているという事じゃ!  権力も『力』という字がついておる。  屁理屈ぬかすでないわーっ!」  チンピラ顔負けの剣幕で怒鳴り返す少女。  言っていることは無茶苦茶であったが、その迫力は少女とは思えない凄味があった。
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