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「ならいいんですけどね。
いわゆる厨ニ病をこじらせまくるんじゃないかと不安で不安で……」
「ハハッ、そうなったらそうなっただな」
「ディートハルト様!」
あっけらかんと答えるディートハルトとは対照的に少年は訴えかけるようにして声を荒げた。
「お前だって、旗上げすればいいとか言ってたじゃないか」
「それは、貴方がって事ですよ」
祖国は既に滅亡しており、3人とも流浪の身。
少年は、ディートハルトに憧れており、滅亡後も付き従っている。
3人の祖国であるライナルト帝国は、世界最高の軍事力をもつと言われ、ディートハルトは皇帝直属である近衛騎士団を率いる騎士団長であった。
現在、村や町など国家とは呼べない自治政府と協力し、旗揚げする武装集団も少なくない。
ディートハルト程の腕と実績なら、直ぐに独立勢力を旗揚げする事は難しくないといえたのである。
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