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「──よしっ!」
思わず声が出て自然とガッツポーズを取っていた。
実は鈴子相手に前々からやってみたかったことがあった。それを今日、実行出来るかもしれないと思ったら思いの外ワクワクしている俺がいた。
(先ずは行きたいと思っていたレストランを予約してその後は夜景が綺麗だっていっていたホテルに行って──)
勿論、レストランに行く前に服屋に寄って鈴子を着飾ることも忘れない。
俺の手で磨いた鈴子を連れてしてみたかった夜のデート。そんなことを考えただけでいとも簡単に幸せになれた。
(……なんか、すげぇな)
多分、やろうとしていることは今までにもやったことがあったデートプランだ。
歳上の女と付き合っていた時は向こうから強請れられそういったデートを何度もしたことがあった。だけどその時の気持ちと今の気持ちは全くの別物だった。
相手が違うだけでこうも気持ちが違うのだということを知った。
どんな些細なことも小さなことも、当たり前だと思っていたことも鈴子と出逢ってから感じ方や見方がどんどん変わって行った。
それは俺にとっては嬉しい変化。
俺はなんて不幸なのだと、鬱々としていた頃がもはや懐かしいとさえ思えてしまっているほどに。
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