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「結婚するんですよね、まりえちゃんと」
『……』
「今日、友人から訊きました。春頃から付き合っていたって。私、何も知らなかったから驚いて」
『……』
「まりえちゃんと付き合っているのにどうして私とあんなことを──」
『オレたち、体の相性、いいじゃないか』
「………は?」
『確かにまりえとは付き合っているし結婚する予定。だけどまだ結婚していない。フリー状態だぜ、オレ』
「……」
『森上のこと気になっていたのは本当のことだし、実際寝たらオレたち体の相性よかっただろう?』
「……」
『その点まりえはそこがネックなんだよな。いまいち物足りないというか。だからぶっちゃけ迷い中なんだよ、まりえと森上の二択で』
「……」
(先刻から何をいっているの、この人は)
『まりえと正式に結婚するまではおまえにだって可能性がある。おまえはもう少し性格と見かけをどうにかしたら審査ポイントの3点合格でオレと結婚出来るかも知れないんだから』
「……何…いって…っ」
こんなことをいう人だとは思わず先刻から携帯を持つ手が震えている。抑えようと思っても抑えられなくて、ついでにまた目頭がカァッッと熱くなって来た。
(どうしよう……めちゃくちゃ悔しい!)
二股を堂々と公言しているこの人にどうしたら太刀打ち出来るのか──怒りと共に沸々と湧いて来る見返してやりたい気持ちが私の口を滑らせた。
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