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恋を失くしたその日に別の人からプロポーズされてしまった。
例え彼のあの言葉が私を救うためにつかれた嘘だったとしても、私は少しだけ嬉しいと思ったのだけれど……
(あの後…はっきりいってたな)
『俺は本気だから。鈴ちゃんと結婚したいという気持ちに嘘はないから』
そう何度も念を押された。
私はあまりにも突然のことだったからとりあえず返事は保留にしてその場をなんとかやり過ごしたのだけれど……
(いやいや、ないでしょう!)
常識的に考えて何処の誰かもよく分からない人との結婚なんてありえない。
しかも彼は──
(びっくりするぐらいにイケメンだったし)
殴られて腫れていた顔の傷が徐々に回復するにしたがって見えて来た顔面偏差値の高さに私は腰を抜かすほどに驚いた。
そりゃあんなイケメンが街中をふらふらしていれば逆ナンされてしまうのも頷けた。
そんな彼からのプロポーズだからこそ安易に信じることなんて出来なかった。
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