777人が本棚に入れています
本棚に追加
この会話の流れからするとまりえちゃんは私と宮間さんの関係は知らないのだということが分かる。
(それもそうか…宮間さんだって敢えて本命に浮気相手のことなんか話さないよね)
つまりは私と宮間さんのことは私が黙っていれば自然消滅する──ということなのだろう。
(まりえちゃんに色々弁解や忠告したいことは多いのだけれど)
宮間さんがまりえちゃんと付き合っていることを知っていたら絶対に宮間さんの誘いには乗らなかったこととか、宮間さんはまりえちゃんという彼女がいながら浮気する最低な男の人だということ等々。
「それでこれが新しく書き直した詳しい企画書なんですけど」
「……」
先刻から熱心に仕事の話を進めているまりえちゃんに申し訳ない気持ちばかりが湧いて来る。
だけどこうなった以上、私は綺麗さっぱりと宮間さんとのことは忘れてまりえちゃんにとっては頼ってもらえる先輩になろうと思い直した。
最初のコメントを投稿しよう!