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「森上さん」
「!」
まりえちゃんから渡された企画書をデスクで読み込んでいると今度は宮間さんに声を掛けられた。
(同じ部署同士って辛いな)
出勤した時も何度か宮間さんと目が合って私に何かいいたそうな雰囲気を感じていたけれど周りに人がいたおかげで特に話し掛けられたりはしなかった。
まりえちゃんと話している時も遠巻きながら此方を見ている視線は感じていたけれど当然話し掛けては来なかった。
しかしまりえちゃんが外回りでフロアからいなくなったのを機にようやく私に話し掛けて来たようだ。
「なんでしょう」
「話があるんだけど」
「なんですか」
「此処ではちょっと。第二会議室まで来てくれないか」
「……」
私の中では昨日の電話で終わったことだと思いたかったけれど宮間さんはそうはさせてくれないようだ。
つい先ほどまりえちゃんに対しては申し訳ない気持ちがありながらもこれからはきちんと先輩らしく接して行こうと決意したばかりだというのに……。
(私の方は何も話すことなんてないけれど)
それでもこの際きちんと私の気持ちは伝えておいた方がいいのかと思い宮間さんの求めに応じた。
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