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(そうか…私、遊ばれていただけだったんだ)
そもそも宮間さんと付き合い始めたのだってほんの三ヶ月前のことで、その時はふたりで夜遅くまで残業していていつの間にかフロアには誰もいなくなっていて、そんな雰囲気の中で宮間さんから『ずっと気になっていたんだよね、森上のこと』なんて耳元で囁かれてボーッとなったまま流されるように関係を持ってしまった。
私はその時から宮間さんと付き合っているつもりになっていてたまに呼び出されてホテルに行っても宮間さんのいう通り惜しみなく体を差し出していた。
(……そういえば)
『ずっと気になっていたんだよね、森上のこと』
宮間さんからはその言葉しかなかった。決して『好き』だの『彼女になって』だの交際に結びつくような言葉はなかった。
(…なるほど)
私は宮間さんにとってはただのセフレでしかなかったのだと今更気が付いた。
(しかも私の方が後ってことは…)
まりえちゃんにとっては私の方が【彼氏と浮気した女】認定されてもおかしくない状況だ。
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