カンキンコン- 監禁婚 - Ⅱ

閉じ込めた男

「あの、先刻から訊いていると私が宮間さんに対して好意がある前提で話をされているみたいですけど、それ大間違いですから」
「──は」

気がつけば私は溜まっていた鬱憤を晴らすようにまくし立てていた。

「まりえちゃんという彼女がいたと知っていれば私、宮間さんとは寝ていませんでした。知らなかったから応じただけで、知らなかったから好きだと勘違いしていましたけれど、全てが分かった今では宮間さんのこと、これっぽっちもなんとも思っていませんから」
「…！」
「それに私には宮間さんと違って私だけを愛してくれる彼氏がちゃんといますから。それは本当ですから」
「…っ、つまりそれはおまえだって二股かけていたってことだろう？！一方的にオレを悪者にするな！」
「彼は……宮間さんがまりえちゃんと付き合っていると知ってから出来た彼です」
「は？…何いってんだよ、おまえ」
「つまり……友だちだと思っていた彼に宮間さんのことを相談していて…そんな男よりも俺にしろ的な感じで付き合い始めた彼です」
「そんな昨日今日出来たような都合のいい男友だちがいるかよ」
「いますよ、ちゃんと」

（まぁ、男友だちではないけれど）

かなり苦しい言い分かも知れないけれど、どんな嘘をついたって宮間さんをいい負かしたい気持ちが強かった。

しかし私がどれだけ未練はない発言をしてもねちっこく食い下がって来る宮間さんにいい加減うんざりして来た。

（まさかこんなにウザい人だとは思わなかった）

宮間さんにはちゃんとした彼女がいるというのにどうしてここまで私に構ってくるのかが解らなかった。