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「私のキャラって何?」
「……え」
「キリオくんは私の何を知っているの?」
「……」
「善意で人を助けて行くあてのない可哀相な人をただ黙って家に置いておくような間抜け女だっていいたいの?」
「そんなこと──」
「なんの打算もなく連れ込んだりしないわよ」
「……」
「キリオくんがイケメンだったからよ。じゃなきゃ家に連れ帰ったりしない。キリオくんの弱みに付け込んで此処から出さないようにしようと考えているあざとい女よ、私は」
「……」
(…あぁ…なんでこんなこといっているんだろう)
それこそ全然私のキャラじゃない。地味で臆病で人の顔色を窺いながら生きて来たくせに。
男に関してだっていつも受け身でいいなりになって嫌われないようにと必死で取り繕うくせに、結局は誰からも選ばれない。
(……惨め過ぎる)
本当の私はこんなにも器の小さい女なのに何を偉そうに『セックスして』だなんて粋がっているのだろう。
助けた恩を体で返せと強気で迫っている一方で、慣れないことをし過ぎているせいで吐きそうになる。
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