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発端
始まりは私が中学二年の時。
その当時住んでいた所は、某県の北にある市営の団地だった。
市街地ではなく見渡す限り田畑が広がる田舎にその団地は建っていた。
部屋の間取りは、一階に台所とリビング、風呂トイレ。階段を上がって右に三畳の和室。左手に六畳の和室。同じ作りの部屋が七世帯横に並び、それがひと棟となっている。とても狭く築何十年になるのか分からない程古い作りの団地だ。
そこに、父、母、私と五歳離れた弟と住んでいた。
とてもじゃないが、この部屋数と狭さでは、自分のプライベートの空間等夢のまた夢である。
自分の部屋が欲しくなる時期だったが仕方がないと諦めて小学三年生の弟と一緒に二階の六畳の和室を使っていた。
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