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「さっきの揺れすごかったな」
「ああ、何でこんなに地震が続くんだ」
会社員たちが売店の前で話をしている。
店員がさっきの地震で棚から落ちたスナック菓子を拾って棚にもどしている。
「おい、これ全部くれ」
僕はレジから店員に向かっていう。店員は僕を無視しているようだ。後片付けを優先しているらしい。
「おい、早くしろ。こっちは急ぐんだ!!」
店員が仕方がないといった様子で立ち上がり、レジにやってくる。
レジの上のカゴにはスナック菓子やパン、おにぎりなどが大量に入っている。
どうしてこんな時に? という目をしながら店員がレジ袋に商品を詰め込む。
「おい、武田じゃないか」
僕が声がした方を見ると、高校時代の同級生の所が僕を驚いたような顔をして見ていた。そう言えばこいつも僕と同じ会社だったな。
「今は君にかまっている暇はない」
僕は金を払うと、レジ袋を持って急いで立ち去ろうとした。
その後を武田が追いかけてくる。
どうやら僕の態度を不審に思って後をつけてきたようだ。
まったく今はそれどころじゃないのに……。
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