1.晴くんと同居、薫くん乱入

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話せば長くなる。そう思った私は、薫くんの手を引いて玄関の内側へと招いた。 「中で話すよ! さっきまでお茶してたところなの。ね、薫くんも中に入って話そう」 さっきまでお茶をしていた、と言ったが、よく考えたら違った。さっきまでは、晴くんのベッドで……。 それを思い出すと、私はもう少し薫くんにここにいてもらいたかった。 「うん。じゃあお邪魔しようかな。いいよね?晴」 「あ、ああ……」 「ありがとう」 晴くんに許可をとると、薫くんは靴を脱いで一段上がり、私の隣に立った。 格好いいなあ、薫くん……。背も高くなってる。晴くんより高いんじゃないかな。 顔一個分の身長差がある彼を、下からこっそり見つめた。まつげも長くて儚げで、格好いいけどやっぱり天使みたい……。 薫くんにソファに座ってもらい、私ははしゃぎながらその隣に、晴くんはもう一度お茶を淹れにキッチンへ行った。 「薫くんはこの十年、難しいお勉強をしてきたんでしょう? もう会社を継ぐの?」 「いずれ、ね。まだまだ勉強することはたくさんあるから、しばらくはこのままだよ」 薫くんは、一度キッチンを振り返った。
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