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「晴くん! 協力してもらおうよ! 私、いつも晴くんに心配かけてばっかりだから、薫くんにも相談できた方が嬉しいな。晴くんも、その方がいいよね?」
目を輝かせて晴くんに詰め寄ると、彼はまだ険しい顔をしていた。やっぱり、ダメなの……? そう思って私がまた悲しい顔をすると、晴くんはため息をついて頭を撫でてくれた。
「……分かったよ。分かったから。そんな顔するな、沙弓」
「晴くん……!」
晴くんはなんて優しいんだろう! 嬉しさの絶頂で、左右のふたりを交互に見た。
すると、おもむろに、薫くんは立ち上がり、私の前を通りすぎて反対の晴くんの隣へと移動する。
薫くんがそこへ座ると、男の子ふたりの重みでソファが少し傾いた。
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