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「晴、ありがとう。久しぶりに会えたんだ。僕、今日ここに泊まってもいいかな」
薫くんは晴くんの肩を組む。見た目も天使だと思っていたけど、腕を上げると浮かび上がる薫くんの体のラインは、意外と筋肉質で男らしかった。
「薫……」
「いいでしょう? 僕、意外と寂しがりだから。……あそこは晴の部屋? ベッド大きいんだね。そうだ、昔みたいに僕と一緒に寝ようよ」
ドキン、と胸が鳴った。あそこは、薫くんが来るまで、私が倒されてたベッド……。
そうだ、あそこに寝るのは晴くんと私より、晴くんと薫くんがいい。そのほうが私も気分が楽だ。私にはああいうのは、まだ心の準備ができないし……。
「……男ふたりじゃさすがに狭いぞ、あのベッドは」
晴くんは目線をずらして、そう答える。薫くんはその目線を追って、彼を逃がさない。
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