2.薫くんとキス、晴くんには内緒

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「料理はものづくりみたいなものだから、沙弓ちゃんもすぐにできるようになるよ。編み物得意だもんね。大丈夫。それと変わらないよ」 薫くん、優しいなぁ……。頭を撫でられながら、包まれるような彼の優しさをしみじみと感じていた。 私のこと馬鹿にしたりせず、いつも応援してくれる。天使のような笑顔の薫くんを見上げながら、少し顔が熱くなった。 「じゃあ、買い物に行こうか。近くにオーガニック食品のマーケットがあったよね。あそこで必要なものを揃えよう」 さっそくの外出。それも久しぶりの薫くんと。ワクワクする気持ちを抑えられない一方で、私は晴くんの忠告を思い出していた。 『薫に気をつけろ。あまりふたりきりになるな。起きたらすぐ部屋へ帰すんだ』 晴くんは確か、そう言っていた。 どうしてだろう……。薫くんはこんなに晴くんのことを考えてくれているのに。 「楽しみだね、沙弓ちゃん。晴、喜んでくれるかな」 眩しい笑顔を向ける薫くん。ほらね、やっぱり、晴くんが考えすぎてるだけだ。 私は「そうだね」と微笑み返した。
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