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足にも力が入らず、やがて自分の体重を支えられなくなった。彼に背を預けたまま、少しずつ重心が下へ下へと落ち始める。
「危ないよ、沙弓ちゃん。ほら、支えててあげる」
「ひゃっ……!」
突然、私の足の間に、彼の太ももが入り込んできた。
「薫くんっ……」
なにこれ……!
グレーのワンピースからは私の黒い足が二本ほっそりと伸びていて、その間に薫くんのがっしりとした白いズボンの足が一本めり込んで侵略している。
ちょうど力が抜けて重心が落ちていたところで、私はその足に座るようにして体重を預けていた。
「そう。僕の足に乗っちゃっていいよ。支えててあげるから」
そんな……。
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