2.薫くんとキス、晴くんには内緒

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目を閉じられずにいたが、彼も開けたままでいる。呆然としているところを絡めとられ、湿った音が鳴った。 すぐに唇が離れたが、湿った感触は残ったまま。 「ほらね。沙弓ちゃんは無防備なんだよ」 瞳を細めた薫くんがそう呟いた。 「薫くん、どうして……」 「自覚しないと治せないって言ったでしょう? 僕が治してあげる。ね?」 微笑んだ薫くんは、また甘いキスを落としてきた。 どうしよう。薫くんとキス、しちゃった……。 付き合ってもいないのに、こんなことしちゃダメだって分かってる。でも体ごと彼に絡めとられて身動きができない。 なにより、抵抗する気になれない。 「治すため……?」 「うん。協力するって言ったでしょ」
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