2.薫くんとキス、晴くんには内緒

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魂を抜き取られるようなキスは長く続き、やがて意識が混濁してきた。 薫くんはクスクス笑いながらキスを止める。 突然の空白に、私は“もう終わり?”とでも言いたげに彼を見てしまった。薫くんはまだ興奮気味だったけど、それでも冷静に見つめ返してくる。 「このへんにしといてあげる。晴に美味しいカレーを作らなきゃならないから、料理を再開しないとね」 いきなりこの雰囲気を元に戻せ、と言われた気がして、私は恥ずかしくなって前を向いた。 骨抜きの体をどうにか立て直し、彼の脚の上からよろよろと降りて自分の足で立った。 「うん、いい子だね」 また私の左右の手を薫くんが包み、ふたつめのじゃがいもを剥き始める。 「沙弓ちゃん、分かってるよね。僕らがキスしたことは、晴には内緒だよ」 耳元で彼の声が響いた。 「う、うん」
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