♥何処へ行こうかな

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♥何処へ行こうかな

 暗い闇の中、青色に発行する帯に体を包まれ僕は浮遊する。ふわふわと無重力を感じながら空を見上げようとした、何もない闇。真っ暗な空間でただ一人、僕は足を曲げてゆっくりと目を瞑る。退屈そのものだった、頭の中に得体のしれない情報ばかり流れあっという間に忘れていく。この世界の何か、研究者のような誰か、ピンク色のもふもふ……アナスタシア。    目が覚める、体の上に掛け布団が敷かれている、ホテル用ので分厚くあったかい。布団の下に更にタオルが敷いてあった。熊のおじさんは入ない。半ば夢だったらよかったのになと思いつつこの現実を再認識しこのままでもいいかなと安堵する、するけどやはり昨日の出来事は忘れられない。異世界転移からのケモショタへのトランスフォーム(TF)、そこから間髪入れずにラブホでエッチなことをしてしまうなんて。僕が人だったら悶絶していた、でもケモショタだ、いい匂いがするふわふわもふもふなかわいいケモショタ。目線を横に反らすと鏡がある、僕だ、真っ白い体毛にシアン色の髪の毛に瞳、ちょっとふっくらとした、恐らく毛皮の影響だろう、理想的なケモショタ像が目の前にある。もう一度言う、僕だ。頬に手を当ててほっぺたを抓る、ふにっと柔らかい感触がする、それに指だ、意識していなかったが4本指になっている? なっている。確認した、それに肉球まで付いている、軽く手を握るとふにっと肉球に触れる、不思議な感触、ぺろりと肉球を舐めてみる、あざといケモショタの姿が鏡に映る、むずむずする。寝る前の発情期ではない、単純にエッチな物を見て感じるむずむずの様な気がする。もどかしくなってきたから布団から出てシャワーを浴びる、股やおなか辺りがカピカピに乾いている、シャワーで洗い流しながらあったかいお湯を体に浸していく、体毛は垂れてちょっと細くなった気がする。  部屋のテーブルの上に紙幣の様な物と置手紙が置いてあった、内容は気持ちよかったからまたしようねとかそんな感じの内容だった。紙幣と分かった理由はその置手紙に書いてあったから、売春は結構当たり前の様に行われていると感じた。お金に困ったらとりあえずおじさん引っかけてエッチすればいいと思ったけどそれは最終手段にしたい。  軽くおしりの穴を指で触れてみる、緊張で固く閉ざされたそれはおちんちんを受け入れるのには不十分だろう。フェラだけだと稼ぎは少なそうだしそもそもフェラだけで済ませてもらえるかわからない。痛いのは嫌だ、死ぬのはもっと嫌だけど。つんつんとおしりの穴にもう一度触れてみる、固く閉ざされた門を押しこんだだけで中には入らなかった。昨日の余韻もあって今はそこまでおしりの開発に時間を割きたくないなと思った。    シャワー室から出てタオルで体を拭く、そのあとに全身に巻き付けベッドに戻る。今後の羅針盤となるアイテム、ピンク色のスマホを手に取った、スマホなんだからインターネットくらい繋がってくれてもいいと思うがここは異世界、望み薄だろう。ボタンを押すと画面が移る。相変わらず特に弄れないステータス画面しかない……と思ったけどhelpの項目があった、軽くタッチしてみるとステータスの読み方とその意味が書いてある、簡単に表すならstaは力、agiは敏捷、lucは運。しかしintについては何も書かれていなかった。lucの説明の下は沢山の空白と共にリミデットの項目が表示される。    limited mode:リミデット使用時、ステータスが2倍になる。その状態でもう一度リミデットを使用するとステータスは限界値に達し隠しステータスが解放される。    APP:容姿/純潔    昨日の戦闘で起きたことがそのまま書いてある、2回リミデットモードを使用しているわけでつまり自分のステータス限界値が20と言うことになる、よくわからないが低すぎないだろうか。その割に魔法は絶大な威力を発揮し敵を払いのけ氷漬けにできた、効果があるのは助かった。APPという謎のステータスについても短いながら意味が分かってよかった、容姿……ケモショタ姿になったことが容姿にかかわるとしたらそれは嬉しい限り、ちらちらと映る白い体毛が心をくすぐる。スマホに内蔵された時計が11時を指示していた、ラブホから出て何処かに行きたい、何処へ行けばいいの?  灰色の空に薄汚れた街並み、夜だったからそう見えたのかと思ったが昼でも小汚かった。じめっとした重い空気に汚れた湿気が咳を誘う。朝ご飯も食べていないからお金の単位を確認するために手頃なお店に入る、仕事の休憩時間に昼飯を食べているガタイの良いケモノが沢山いた、様々なランチをがっつりと食べている、何を食べているか除いたがよくわからなかった。券売機があるみたいでとりあえずお札を入れてAとかBと書かれたものを押してみる。元居た世界と同じように普通に券が出てきておつりとして硬貨が出てきた。1万円札とかだと券売機に対応していなかった気がする、使えたということは恐らく千円札の様な物だろう、部屋に置いてあった通貨の枚数が多かったのが頷ける。カウンター席のような場所まで移動して食券を店員に渡しゆっくりと今後について考える。  寝る場所は最悪野宿……レイプされそうで怖いのでそれはやめておこう、カウンター席に移動するまでの間だけで視線を感じた、自意識過剰とかそういう話じゃなくてお店の中で料理の匂いがするのに僕の匂いがほんのりと漂っているというわけだからなんかそれエッチだし嬉しいけど僕が犯されたいのはケモショタだし僕も犯したいし、それにまだ成長過程の小さなおちんちんなら痛くないかなって、軽く顔がにやける。でもこの定食屋みたいなお店の中には僕の様なケモショタは一切いないわけで外を歩いている最中もすれ違うことはなかった、もしかしたらここはリーマン街なのかもしれない、それなら仕方がない。だったらご飯を食べた後に別の場所に行けばいいだけ。移動した場所でケモショタを探す、そして居候させてもらうために何でもする、掃除洗濯奉仕……えへへ。料理が出てきた、謎肉のソテーにパンとスープ。ケモノだらけの世界で肉というかなりやばいものが出てきた、猫は肉食だからね、自然と涎が溢れ出る、自然と横に置いてあったフォークを手に取りゆっくりと謎肉のソテーに食らいつく、美味しい。思わずはっとする。程よく柔らかい謎肉からたっぷりと肉汁が溢れ出し僕の口の中を満足させていく。添えてあったパンと交互に食べるとあっという間に完食してしまった、寂しく残ったスープを一気に飲み干し僕はお店を出て行った。    警官のポーチから拝借した地図を確認する、大雑把な位置取りしか分からないため余りあてにならないが無いよりはましだろう。地図によると目の前にある巨大な塔を九龍城と呼ぶらしい、九龍城の根元にリーマン街の様な街があるらしい表記がされている。とりあえず塔の根元に向かって歩いてみる。    到着、あっさりと根元までたどり着くことができた、やはり大人の様なケモノが大勢いてケモショタの姿は見当たらない、時間は午後3時。おやつ時に軽く小腹が空いてちょっと口寂しい。何処に行けばケモショタに会えるのかさっぱりわからない僕はとりあえず道を歩いてみてどこかにケモショタがいないかどうか辺りを探ってみた。1時間経過、時刻は午後4時に差し掛かろうとしているがケモショタの姿が見当たらない、周辺の施設も子供向けの様な場所や学校も無くただ大人がいるだけだった。大通りだけ歩いているからダメなのかな、道角のケモノの出入りが少なさそうな裏路地に足を踏み入れてみる。  裏路地にはたくさんの子供が膝を抱えて地べたに座っていた、昨日自分が熊のおじさんに拾われたのも裏路地に居たからだと思うから恐らくこの子たちは売春目的なのだろう。明日もあてがなければ僕もここで誰かに春を売ることになるのかな。1匹の水色のケモノが立ちあがる、他の子達と比べると裕福そうな綺麗な水色のドレスを着ている。   「君は……うん、ついてきて」  中性的なかわいい声が聞こえた、透き通った瞳に体が吸い込まれるように僕は彼女についていく。彼女は人一倍かわいかった、あんなかわいい仔が女の子だなんて。路地裏の奥へ奥へと進んでいくと曲がり角、曲がってその先を進んでいく。水色のドレスを着た女の子に僕から声をかける。   「君、綺麗だね」 「ありがとう……えへへ」 「綺麗って言われると嬉しい?」 「嬉しいよ、もっと言って」 「そうなんだ……かわいい、素敵、いい匂いがする」 「えへへぇ、なんだか言わせている感じがして悪いなぁ」 「悪くないよ、だって君はかわいいんだもん」 「かわいい?」 「そう、かわいいよ」  僕は先行く彼女の正面に立ち顔を合わせる。ふわふわの水色の髪に逆立つ毛先、ふわふわな体毛。狐かな、そんな気がする。自然界ではありえない水色のケモノにフィクションを感じて胸がキュンとする。そわそわさせられる。今すぐ抱き着きたい。 「かわいいんだから……ちょっと抱き着いても、いいかな」 「ちょっとだけだよ、いいよ……」  ふんわりとしたドレスを束ねるようにゆっくりと抱き着いた、ふわっふわの水色を感じる、胸が詰まる。 「気持ちいい……」 「不思議なケモノさんだね……あなたもかわいいよ」 「ふふぅ……こんな状態でかわいいって言われると、ダメになる」 「ダメになっちゃうの……ダメになっちゃうのも、気持ちいいよ?」 「今はだめだよ」 「ダメじゃないよ、路地裏でキモチよくなっちゃう?」 「そんな、僕お金持ってないよ?」    少しだけ嘘をついた。 「それでもいいの、ほんの少しだけなんだから」 「ほんの少しって、なぁに?」  口を奪われる、彼女から僕の口を奪ってきた、マズルとマズルが重なり涎が溶け合う、甘い二匹の綿あめが一つになる、軽く茹でられた僕の気持ちは既にトロトロで、奪われた口の中は既に大洪水で、舌が重なり涎が混じり合い脳が蕩け足元が崩れ一つになっていく。   「ふぷぁ、はぷっ! きしゅ……キスしちゃった」  水色のドレスを着た女の子が垂れた涎を腕で拭い僕に言葉を投げかける。 「キスは嫌い?」  涎をだらしなく垂らしながら咄嗟に答える。 「しゅき、しゅきぃ……」  言葉が蕩ける、突然のキスに全てを奪われていた。 「もっと欲しい?」 「もっと、ほしい……」 「それじゃあもっと、してあげる」 「ふあ……はぷっ!」  もう一度口を奪われた、呼吸が整わないまま更なる舌の愛撫が口の中を癒していく、犯されていく。熊さんの時よりも濃厚でテクニカルなキス。心が奪われそう、女の子に、全てを包まれてしまう。 「んふっ、こうひへ……んっ!」  舌先と舌先がつんつんと合わさる、その舌先が僕の舌をくりゅんと包み込むように愛撫して根元まで心地よい快感が響く、涎が溢れる。どろっどろの唾液がいっぱいなお口の中、歓喜極まって涙目になってくる、喉元が締まりきゅうきゅうと漏れ出す息が高音を発する、音にならない喘ぎ、快感が僕を包む。キスだけで幸せになっちゃう。 「ぷはぁ……どうだった……?」 「ふすー……ふぇぁ……」  とろとろの僕は言葉を発する事もできなくなっていた。ふわふわのとろとろ、既に下半身は大変なことになっている。 「そっかぁ……そうなんだね、わかった。僕のお家へ行こうね」 「ふぇ、うんっ」  無意識に返事をして無意識に頷いた。水色のドレスを着た女の子に僕はおんぶさせられて水色の子のお家まで連れて行かれるのだろう、意識が朦朧として裏路地から何処かへ移動するまでの間に寝てしまった。
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