腹喰い

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腹喰い

 変わったような変わってないような、例えば僕の醜い顔面、すべてにおいて貧相な目。脂汗が止まらない、リビングのテーブルの前に座り、頭を抱える。空腹が止まらない。浮き上がった眼球は瞼の裏に隠されている。胸の動悸が激しい、息も荒くなる。まるで辛いものでも食べたように、僕はどんどん痩せていくのを感じていた。  アラームが鳴る、米が炊き上がった。僕は飛び上がるように席を立ち茶碗をつかむとしゃもじを取りながら炊飯器を開いた、いっぱいに広がる米、そうだこれが食べたかったんだ。ずっと我慢したわけだから絶対にうまい、一週間ぶりのコシヒカリ!  もぐもぐパクパク、ダメだ、おかずなしじゃ喰えねえ! 腹を空かせるよりちゃんと飯を食べたほうがいいな!
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