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「何をしている?」
自分と同期の仲間がそんな彼に尋ねてきた。その軍服は返り血で真っ赤に染まっている。
「・・・お前・・・」
そんな彼を憐れみに満ちた目で一瞥すると、彼の方にやって来た仲間は、彼の眼前に横たわっている少女と老人に手にした銃を向け引き鉄を引いた。
「貴様ッ・・・!」
彼は声を荒げると銃を撃った仲間に飛び乗りいつしか彼を殴っていた。
仲間はそんな彼を無理やり引きはがし壁にその体を叩きつけた。
「このことは上に報告するか覚悟しておけ」
そういうと彼はまた人を殺しに去っていった。
少女の横に写真が埋もれている。そこには先ほどまで息をしていたこの少女と老人、そして屈託のない笑顔で映る少年の三人が映っている。
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