はじまり

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 空に輝き地面を照らす太陽はママチャリを駆ける彼女に向って容赦なく反射光を浴びせかける。 制服のワイシャツはよく風を通したが背中は竹刀袋と密着しているせいでじっとりと汗ばんでいた。 ガタンと車輪が段差を踏んだ衝撃で自転車のカゴに斜めに放り込んでいたカバンが一瞬浮き上がった。 「はっ・・・はっ・・・」 やや前のめりの体勢で自転車を漕ぐ自分の息遣いが耳元で聞こえた。 マウンテンバイクのアクロバットやダンスの練習をしている水の広場を一直線に横切る。 「はぁっ」 公園を飛び出し大きく息を吸い込む。 交差点に向かって減速するがタイミングよく青信号に変わったところで再加速。 都会は嫌いではない。目まぐるしく変わる日常は飽きないし、賑やかで騒がしいのも性にあっている。
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