第1章「早起きは三文の得?」

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そうしてやって来たのは小さな定食屋だった。 中はなかなか賑わっていて、目的の品と同じ物を食べている人も少なからずいる。 店員のおばあさんも若干不審そうな目でこちらを見るが、私は気にしないフリをして席に着く。 そうして私は朝カレーを頼み、リリーと向かい合う。 「それにしてもリリーは何者?どこから来たの?」 普通の人間が空から降ってくることはまずあり得ない。 その正体を知るために私は質問したが、リリーは何も言わない。 「うーん、気になるんだけどな…」 「言わなきゃダメ?」 リリーは少し困ったような顔でこちらを見つめる。 うう……。そんな顔をされると、追求しづらくなる。 どうしたものかと悩んでいると、先程のおばあさんが二人分のカレーが運んで来た。 「来た来た。とりあえず食べようか」 「うん!」 リリーも頷き、私は両手を重ねる。 「いただきます。ほら、リリーも」 「うん。いただきます」 私がスプーンを手に取ると、リリーも同じようにする。 そうして私達はカレーを口にした。 「うーん、おいしい!」 カレーは少し甘めで、子供でもおいしく食べられそうだ。 おいしい物を食べるのは、私の生き甲斐の一つでもある。 特に朝ごはんは一日の始まりには欠かせないものだと私は思うし、時々こうして外で食べるのも楽しい。 しかし、リリーはどうだろうか。 そう思った私がチラリと見ると、リリーはスプーンを手にしたまま固まっていた。
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