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そうしてやって来たのは小さな定食屋だった。
中はなかなか賑わっていて、目的の品と同じ物を食べている人も少なからずいる。
店員のおばあさんも若干不審そうな目でこちらを見るが、私は気にしないフリをして席に着く。
そうして私は朝カレーを頼み、リリーと向かい合う。
「それにしてもリリーは何者?どこから来たの?」
普通の人間が空から降ってくることはまずあり得ない。
その正体を知るために私は質問したが、リリーは何も言わない。
「うーん、気になるんだけどな…」
「言わなきゃダメ?」
リリーは少し困ったような顔でこちらを見つめる。
うう……。そんな顔をされると、追求しづらくなる。
どうしたものかと悩んでいると、先程のおばあさんが二人分のカレーが運んで来た。
「来た来た。とりあえず食べようか」
「うん!」
リリーも頷き、私は両手を重ねる。
「いただきます。ほら、リリーも」
「うん。いただきます」
私がスプーンを手に取ると、リリーも同じようにする。
そうして私達はカレーを口にした。
「うーん、おいしい!」
カレーは少し甘めで、子供でもおいしく食べられそうだ。
おいしい物を食べるのは、私の生き甲斐の一つでもある。
特に朝ごはんは一日の始まりには欠かせないものだと私は思うし、時々こうして外で食べるのも楽しい。
しかし、リリーはどうだろうか。
そう思った私がチラリと見ると、リリーはスプーンを手にしたまま固まっていた。
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