第1章「早起きは三文の得?」

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第1章「早起きは三文の得?」

「迷った……」 時刻は朝の七時過ぎ。 誰もいない神社にやって来た私、斎藤明日香は辺りを見回して大きなため息をついた。 ごく普通の社会人である私の月に一度の楽しみは、外で食べる朝ごはん。 普段は簡単なもので済ませてしまいがちだが、最近は朝メニューが充実している店も多く、そうした店を巡って朝ごはんを食べるのは私の密かな趣味の一つでもある。 その日も私は、ネットで見つけたおいしい朝カレーが食べられる店に向かっていたのだが、あろうことか道に迷ってしまった。これだから方向音痴は困る。 「あまりこの辺りには行かないからな。さて……」 ここで立ち止まっていても仕方ないし、このままでは朝は終わってしまう。 そんな事を考えながら地図アプリを起動して、私はネットで調べた店名を入力した。 「あ、方向は合ってるじゃん。えっと、後は……」 目的地が表示され、神社を出ようとしたその時だった。
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