とあるA君の話 中学校編 前編

EP1. 始まり

これはとあるA君の学生時代の物語

A君は中学２年の春、親の都合で通っている中学より
少し離れた中学校へ転校しました。

中学生のＡ君は不安と期待を抱え転校先の中学校の
始業式に行きました。
始業式も終わり、Ａ君は職員室へ行き担任の先生と
教室へ向かいました。
廊下でしばらく待っていると、先生の声がしました。
「今から転校生を紹介します。Ａ君入って来てください。」
呼ばれたので、Ａ君は教室の扉を開け、先生のいる教卓の横に
立ちました。
Ａ君は黒板に自分の名前を書き、クラスメイトの方を向き、
「○○中学から転校してきましたＡです。よろしくお願いします。」
と告げると、クラスの皆がひそひそと話し始めました。
「○○中学だって。」「あんまり関わりたくない。」
と話しているのが聞こえてきて、Ａ君は不安になりました。
Ａ君が以前通っていた中学は、県内でも有名な不良中学でした。
そのせいで、転校先では話す友達すら居なかったのです。

その中学校には保育園の時の友人たちが居ましたが、
会うのは約１０年ぶりで、Ａ君は何を話したら良いのか分からず
戸惑っていましたが、ある日勇気を出して声を掛けました。
「久しぶり！元気にしてた？」
と聞くと昔の友人から
「お前○○中学から来たんやろ？あんまり関わりたくないから
声掛けやんといて。」
と言われました。

Ａ君は一言で、学校の人と関わりたく無いと思うようになり、
学校では殆んど話さなくなりました。