気になる君。

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急遽任された日直。 何を書こう……と、考えていたときだった。 「……ごめん」 静かな教室に響いた声に、パッと顔を上げる。 言ったのは他でもない、前原くん。 「何が?」 謝られるようなことなんて、何もされてなくて。全く心当たりのない私は、首を傾げた。 すると、 「田澤くんと一緒に書きたかったんでしょ?」 「へっ!?」 予想もしなかった前原くんの発言に、私の声は思わず裏返る。 それだけじゃない。 思いがけず、大きくなってしまった声。 目の前の前原くんは、きょとんと少し驚いた顔をしていて。 「違った?」 「違う!違うよっ!」 今、大声を出して驚かせてしまったばかりだというのに、あたしは机をバンッと叩いて、立ち上がった。すると、 「……」 さっきと同じ。きょとんとした顔で、私を見る前原くん。 その様子に、何だかとても自分が恥ずかしいことをしたような気分になってきた。 ……いや、そうなんだけど。 こんなに声を張り上げちゃって、何必死になってんの?って、感じだよね。
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