変わる日常。

2/15
65人が本棚に入れています
本棚に追加
/230ページ
「何で!?」 「田澤くんも部活で急ぐからって……」 「え。じゃあ実優がひとりで書いたの?」 「ううん、前原くんが手伝ってくれることになって」 机の上に両手をついて身を乗り出した梨花は、そこまで言ったところで「へぇ……」と、あまり面白くなさそうな声を上げた。そして、 「何かごめんね。実優のためにと思ったんだけど……面倒なこと、ただ押しつけちゃっただけになっちゃったね」 とても申し訳なさそうに謝られた。 その反応は少し心外で、私は一瞬きょとんとしたけど、すぐに首を横に振る。 だって、前原くんと一緒に日誌を書いたことは、“ただ面倒なこと”ではなかったから。 「結構……楽しかったよ」 「え?」 私はが言うと、ふたりは目を丸くした。 「あんまり喋らない人なのかと思ってたけど、そんなことなかったし」 どっちかと言うと、喋れなかったのは私の方。そんな私に、前原くんは自分から話しかけてきてくれた。 ……まぁ、その内容は少しびっくりするものではあったけど。
/230ページ

最初のコメントを投稿しよう!