変わる日常。

5/15
前へ
/230ページ
次へ
そうかな……って、心の中で疑問に思った。 だって、読書をする前原くんの姿勢はすごく良い。 ガヤガヤ騒いでいる男子ならともかく、前原くんが邪魔になることってあるのかな……。 考えすぎは良くないけど……何となく違う気がした。 あれは田澤くんの言いがかりっていうか……。 「望月」 「ん……」 「望月」 「ちょっ、実優!」 ボーっとしていた私は、梨花達に声をかけられるまで気付かなかった。 『望月』という、決してふたりはしてこない呼び方。それから低い……男子の声。 ハッとして顔を上げると、 「……え」 驚きのあまり、思わず声が漏れた。 私の目の前に立っていた人は……田澤くんだったから。 「……」 どうして?……と、目を丸くすることしか出来ない。 田澤くんが私に用なんて、心当たりなんか全くない。 それにこのタイミング。 あるはずないけど、田澤くんは超能力者で。 私の心の中の声が聞こえてしまったんじゃないかと、本気でヒヤリとしたときだった。
/230ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加