気になる君。

6/19
前へ
/230ページ
次へ
「はぁ……」 小さなため息をつきながら、担任の先生からの朝の連絡を聞く。 ううん。耳だけ向けて、頭の中に内容は入って来ていない。 結局、誤解は解けなかった。 私は田澤くんのことが好きだと、ふたりに認識されてしまった。 何であのとき目を向けちゃったんだろう……って、違うか。 ちゃんと言えなかった自分が悪いんだよね。でも……。 『前原のわけないよねぇ……あいつ全然喋んないし』 思い出される梨花の言葉。 あんなふうに言われたら、とてもじゃないけど言い出せない。 好きなわけじゃないけど、気になっている人がいて。 それがその……前原くんなんだってこと。
/230ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加