主よ、人の望みの喜びよ
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「借金、いくら?」 「1千万円」 「オークションは、いつ?」 「明後日」 短い間だったけど、ありがとう。 そう、空は締めくくった。 演奏も、そこで終わった。 空は知らずに弾いたのだろうが、ピアノはショパンの『別れの曲』だった。 1千万円。 神一族の嫡男とはいえ、まだ未成年の雅臣がぽんと出せる額ではない。 いつの間にか、空はそっといなくなっていた。 音楽室には、一人雅臣が残されていた。
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