主よ、人の望みの喜びよ

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「100万から、どうぞ」 「105万」 「110万」  空の頭の中は、次々に上がる金額のことでいっぱいだった。  いっぱいで、ぱんぱんで、弾けそうだった。  どうか。  どうか、高値を付けて。 「400万。いかがですか?」  木槌が振り下ろされそうになったその時、若い声が上がった。 「500万」  会場が、ざわめきを取り戻す。  痩せてはいるが、顔立ちの整った綺麗なΩだ。  メニューに書かれた特技に、ピアノ演奏、とあることも魅力の一つだった。  こんなきれいな子にピアノを弾かせ、気が向いたらベッドでの奉仕を。  そう考えると、金額も積み上げられてゆく。  会場は、これまでで一番熱気に包まれた。
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