主よ、人の望みの喜びよ
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空の家庭は、貧しい。 彼が体を売ってまで金銭を稼ぐのは、弟妹の給食費や教材費のためだった。 父親が多額の借金を抱えての、放浪生活。 借金取りに居場所が見つかると、その日のうちに即夜逃げだ。 友達など、できる暇もなかった。 「神くん、いい人だな」 彼の差し伸べてくれた手。 華やかな拍手。 「友達に、なってくれるかな」 またピアノを聴きたいと、言ってくれた。 ピアノをやっていて、良かった。
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