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でも…
結婚するしないは別の話
続けて言った
「でも、私はあなたと結婚するつもりも、あの屋敷で生活する気もない。
きっと私を選んだ理由も、そんな大した事じゃないんでしょう。
もう一度、お見合いの場を設けてもらった方がいいと思う。私は本当に無理」
『俺も無理だよ』
「はっ?」
『俺がお前を気に入った。理由はただそれだけだった。でももう決めたんだ。お前がいい。お前が欲しい』
「何言ってんの?会ってまだ数時間しか経ってないのに、お前が欲しいって…おかしいよ?」
って、私もこいつに安心感抱いてるじゃん
『俺だって訳分からねーよ。たしかに会ってまだ数時間なのに、俺の頭はお前で一杯になってんだよ。こんな事初めてで自分でもよく分からねーんだよ』
とにかく私は無理!そう言おうとした時
ポツポツと冷たい物が頭に落ちてきた
えっ。雨…
『とりあえず、一度俺ん家に帰るぞ』
腕を引っ張られたが、振りほどいた
これで帰ったら二度とあの屋敷から出られない気がして…
「私の事はほっといて。あんたは帰って…」
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