出会ってしまった

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開いて、普段の漫画の中に出てくる彼より表情豊かで、頬を染めていて、格好いいような色気があるような、そんな(もろ)好みすぎる彼がドアップの一面に出てきて心臓をズッキューンと射抜いてくれた。 大好きな推し様の滅多に目にしないお姿に口元は自然と緩んでいく。 その笑みを誤魔化すように手を口元に持っていき、誤魔化すような咳ばらいを少量してからページをさらにめくっていく。 漫画の新刊の情報は漏らさず集めているはずだが、恐らくこれはシークレットとかそういうものだろう。 そうでなければ、こんなサービスショットがあるお宝本を知らないわけがない。 にやける口元を抑えきれないまま、期待で高鳴る鼓動の仰せのままにページをめくる。 1ページ…… 2ページ…… バン!! とんでもない絵に。 思わず、勢いよく本を閉じる。 傍で読んでいた数人がなんだ? とこっちを見るのに軽く頭を下げながらも、頭の中は申し訳なさより、衝撃でいっぱいだった。 普段丁寧に扱う本を粗末に扱ってしまったという焦りもあったが、やっぱりそれよりも衝撃が勝ってしまっていた。 推しキャラ、と、そのキャラと仲の悪いツンデレが 心臓をぎゅっと握ってくる黒髪サラサラヘアのツンデレ眼鏡で私の2番目の推しキャラが ありえないことをしていた。 冊子を持つ手が震える。 でも、もう一度見たい、という欲求が腹の底からふつふつとわいてきてその好奇心にあらがえない。 もう一度。もう一度だけ ゴク、と飲み込んだ唾が伝うのを喉の奥に感じながら、私はもう一度冊子を恐る恐る開く。 少し、ページを多めに開いてしまったから見てしまった。 肌色の多い彼らを 「ひゃっ」 思わず声を上げてしまい、再び背中に突き刺さる視線を感じた。
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