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晴也は腕をさすりながら教室を見回した。この前まではシャツ一枚で元気に走り回っていた生徒も一気にセーターとブレザーを着込み始める。シャツの白が途端にセーターの紺色に染まる景色は毎年季節を感じるものの一つだ。今年は夏が暑かったからもう少し遅めかと思っていたが案外すぐに寒くなるものだ。
生徒は一心に問題を解いている。そりゃあまあ必死にもなるだろう。終わらなければ文化祭が終わった後に補習をすると言ってある。祭りで盛り上がった後に補習をやりたい人はいないだろう。
ま、俺だってやりたくないけどな。脅しに決まってるのに。
皆晴也の言葉を疑わずにやるところが可愛らしい。
まあ、そろそろいいかな。寒いから早く職員室に戻りたいし。あったかいコーヒーが晴也を待っている。
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