地獄の底からこんにちは、小野篁です

七月

「周りの皆さんの熱中症対策を訊いてみましょうか、先ず、あ、こちらの奥さん、奥さんちょっと失礼します、その、首に巻いていらっしゃるのはもしかして」
「はい、あの保冷剤みたいなんの入ったんね、それですのん、冷やして使う冷却スカーフなってるんです、結構ね、冷んやりしますよ？あとこのポータブル扇風機みたいなん小っちゃいのんも持ってますのんよ、ほらね？いややわあ、これ私、映ってるんやわね？顔冷やしてるからお化粧落ちてへんかしら、あはは、映ってるんやわねえ？」
「ええ奥さん、今キョウストリームをご覧の皆さんにばっちり、お届けしちゃってますからね？奥さんの、お化粧崩れのないお綺麗なお顔も、勿論、こちらの冷却スカーフとポータブル扇風機もですね、ご覧の皆さんにも、奥さんの熱中症対策用品、こう云った物、お勧めしたいですね、ねえ奥さん？」
「せやわねえ、ここら今ほんま暑いんです、危ないかな思たらね、ここらの皆さんも先ずは、観覧したい気持ちはね、私も来てますし、よう分かりますけど、ともかくも安全にね、休んで欲しいですわね」
「そうですねえ、見物にいらしてる方々も、皆さんが皆さん安全とも云えませんから、奥さんみたいに何か持っていらっしゃるって訳でもないようですし、危ない、と思ったら直ぐ救護の方にお声掛して欲しいところですね、奥さん？」