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コンパが始まって酒の匂いがむんむんしてがやがや騒々しい中、鼻輪とイアリングと共に目を異様に光らせたオカマが俺の二の腕をつつきながら話し掛けた。
「ねえねえ、けいちゃん、吉田さんを見てよ」
俺は敢えて見ないようにしていたし、見たくなかったが、オカマの指差す方を見ると、吉田が手皿で焼き魚を食ってるのが分かった。而も伊達に決めたファッション同様イケてるかのように洒落た気になってやっているのだ。伊達もそうだが、自惚れが強い所も気に食わねえ。
「ねえ、注意しないの?」とオカマが聞く。
「馬鹿言え、こんな場で・・・況して、あいつは皆を従えるリーダーじゃないか。そんな奴に注意なんかできるもんか」
「でも、完全なマナー違反じゃないの。私には注意する癖に吉田さんには注意しないなんて義に反してると思うわ」
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