オカマ

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 俺はオカマに頭を下げられた後、如何にも人懐っこそうな笑顔を向けられると、機嫌を直して許してしまうのだ。  お陰で俺は油断したものか箸で摘まんだ肉団子を口に持って行く際、落としそうになって思わず左掌を口元に添えた、丁度その時、オカマと目が合ってしまった。  俺は気恥ずかしくなった途端、神経が行き届かなくなって右手の力が緩んで肉団子を左掌に落としてしまった。  掌の窪みにすっぽりと収まった感触がより一層、俺を気恥ずかしくさせた。  その有り様もオカマに見られてしまったので俺は仕方なく肉団子を皿に戻した後、掌を拭こうと、お絞りに手を伸ばした。
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