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2010年10月1日に掲載された記事はこのような内容だった。
『ベルビューの恋人達』ーーーーーーーー
先日、私達はベルビューのマリーン湖のほとりに程近い小高い丘にある小さな洞窟で一つの愛の終末に遭遇した。
その洞窟は草木に覆われ外からそれを見ることはできなかった、
数人の地元の少年たちが遊びの途中で発見したその洞窟には1組の男女の白骨体とその男女の結婚式の写真、女性が書いたと思われる遺書らしき手紙。それに女性が使っていたと思われる錆びたスマホが残されていた。
二つの白骨体は写真の中の二人と同じウエディングドレスを着て寄り添うように寝ていた。そして二人の薬指には一本の赤い毛糸が巻かれていた。
恐らく死後6.7年と考えられた。彼女の遺書から判断すれば二人は病気を苦にしての心中なのだろう。
わたしは『心中』という行為そのものを否定も肯定もしないが、この光景を見て、心が震えた。言葉では表現できない程、確かに心が震えたのだ。本来、悲惨な現場であるはずなのにわたしはその場から立ち去ることはできなかった。
ーーー美しきベルビューの恋人達にアーメン。
文)ショーン・フォレスト
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