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 俺は深い溜息をつくと胸の前で腕組みした。  神前紗夜はというとまるで俺にすがりつくような目線を投げかけながら呟くように話し出した。 「もちろんこんな依頼を他人にするなんて馬鹿げていると自分でも思うのです。でも夢の中の彼女があまりにリアルなので私自身、…私自身…もう途方に暮れるしかなくて……。最初はただ単に綺麗な女の子というだけでした。まるで…絵本に登場する…華奢で儚げで…物憂(ものう)げな……そうですね……10歳ぐらいのドレスの女の子……。その女の子が……」 「現実の世界にも現れた……ということですね?」
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